2017年09月
「天命を知る」
論語では孔子曰く「五十にして天命を知る」とあります。
今月で50歳を迎えた私ですが、この言葉をこれからの10年、自分の生き方、生き様の物差しにしていきたいと思っています。
思えば40歳になった頃は「四十にして惑わず」とありましたが、振り返ってみると迷いまくっていた10年でした。
それでも後半くらいからそれも徐々に消えていったように自覚もしています。
「達観」という言葉はあまり好きではないですし、はなはだ何か達成した観というのは全くありませんが、
それでも自分自身の根底にある志向などが整理されてきたようにも感じています。
それが会社経営、経営者としての思考、行動として出てきたのではないかと思っています。
私のライフワークのほとんどがホロニックにありますので、この会社の行く末の舵取りについては強烈なコミットメントがあります。
「何をやるか」ばかりを志向してきましたが、この3年でそれに加え「何をしないか」に軸が及んできたようにも思います。
そしてセトレというホテルに見られるように「自社ブランドづくり」に集中するようになりました。
思えば約3年前にホロ社はノバレーゼ様と資本・業務提携を結び、株主になっていただきました。
その際に、当時のノバ社長の浅田さんに「え!長田さん、社長辞めるつもりなの?」と聞かれました。
私「いや!そういうわけではないけれど、でもこの会社で私が社長でないほうが経営がよくなって、
社員の皆々が幸せになるとしたらそれはそう選択すべきではないかとは思っています」
その後、実はこんなことも一部周囲の人など含め漏らしたりもしました。
「ただまだやれることがあると思っている、それを果たした上でそれでも私でないことでホロ社の経営が円滑になるのであればその時は全てから引くつもりです、
その期間はあと2年半、私が50になるまで!!。その期間でやり切ることが出来なければ、その先もずっと変わらないでしょうから、、、、
だから50歳までは私のエゴを通さしてください」
といって自分で自分のお尻を切りました、自分の中で退路を断ったつもりでした。
そう決断した頃から「何をやるか、やめるか」が自ずと明確になり行動もハッキリしてきました。
そしてやることも絞られてきました、その頃をよく知るメンバーにとっては随分社内の光景が変わったと感じたのではないでしょうか?
そして「やること」が集中されてきました。
それが昨年以来皆さんの間でも合言葉みたいになっている「つながりつなぐ」
この促進が、今のホロ社を形成する肝になってきました。
この10年振り返って、まさに七転八倒、試行錯誤しながら「惑い」を繰り返してきましたがようやく、ここにきてそれがなくなってきました。
さて、50歳、、、、まさには人生半世紀経ちました。
もしかしてあと50年くらいは生きられているかもしれませんが、しかし仕事を続けていることはないでしょう。
また、働き出して四半世紀余り経ちましたが、せいぜい「働く」という意味で折り返し地点だと考えています。
さて、折返し地点を越えて果たしてこれから何を軸にしてゴールに向かうのかということです。
ホロ社の基盤もまだまだ道半ばではありますが、地域に貢献するコミュニティとしてのホテルを築くことで、人々の生きがい、
やりがい、ないしは働きがい、といった「甲斐(かい)」を生み出し、広げ、溢れていくことで世の中や社会がよりよくなっていく姿を目指していきたいと思っています。
そのような「よき姿」を組織全体で共有し、また進化させて、それを持続的可能な体制をつくっていくことが私の50歳を迎えた天命なのではないかと思っています。
永続的に続く企業を築いていくためには、次世代の人材に継承する体制を築くことは必須のことであります。
時代の変化が激しい中、時代に柔軟に対応していく姿勢と、一方で屈しない姿勢の両面が求められます。
秀逸な老舗といわれる企業は「変わらないために常に変化する」(虎屋)といわれています。
そんな体質の企業にするには、私の目の黒いうちに実現できるとは到底ありえないでしょうけど、しかしそれを目指すためには私自身がホロ社の理念を高め続け、
そして次世代の人材がその風土や文化を継承していく体制、体質が築かれていくことが肝要なことだと考えています!
思えば、これまでの四半世紀余り、そしてホロ社を起業してからは、ほぼ「私心」ないしは自分の夢や理想ばかりを追いかけてきたように思います。
しかし、これからは、みんなにとって、また世の中や社会、そして未来の夢や希望、活力になっていくような「志」を持っていきたいと思っています。
夢と志の違い、、、、これは私の心の師でもある経営学者・野田一夫先生がずっとおっしゃっていたことです。
「夢」は個人の漠然とした願望、また未来への願望
「志」は個々の願望を超えた、多くの人々の夢や願望をかなえてやろうとする気概
夢は快い願望だが、志は厳しい未来への挑戦、、、だから次元が違う!!と、、、
私にとってはこの「夢から志へ」がこの半世紀節目のリ・スタートです。
過去「三十にして立つ」「四十にして惑わず」ときてこのたび「天命を知る」
世の中や社会にお役に立つために、私がこれまでさせていただいてきたこと、生かされたきて培ったことを、
色々な形でお返ししていくという気持ちで会社経営を通じて、社会と対峙していくのが天命なのではないかと思っています!
改めて頑張ってまいりますのでどうぞ宜しくお願いします。