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マンスリーレポート

2010年07月

「引力」

 

「良い会社」とは一体どんな会社のことを言うのだろうか?
規模の大きい会社、利益の出している会社、社員をたくさん雇用している会社・・・
定義は様々あるのだと思いますが、もっともシンプルな言葉でひと言で言うと
「引力のある会社」なのではないでしょうか?
「“引き”に“力”のある会社」です
“引き”とは「魅力」
魅力は、組織でも人であっても、それがあるからこそ引力があるのではないでしょうか?
ブランド力のある会社(人)も、引力があります
そしてその肝心の「引力のある・なし」の差はどこから生まれてくるのか
ある本曰く、その答えは
「ミッション(使命感)」
会社や経営者、そこで働く社員たちに「使命感があるか否か」が最終的に「引力の有無」に関わってくるということです。
昔現場で仕事をしていた頃、「それを売る理由」にこだわっていました。
その時いつも自分自身にも、またスタッフにも問いかけていました
「それ(その商品)何で売っているの? そこに哲学があるか?」
小難しい言葉を言い聞かせていたのですが、要は「そこにお前(俺)の強い信念もしくはこだわりを持って売っているのか」という問いかけです。
大概これがないと商売は長続きしないような気がします
商売だけでなく、働いているその人も続かないと思います。
もっと昔、証券営業をやっていました
「この株買いませんか」「買ってください」
こんな営業です
お客さんにはそういって営業しますが、事務所に戻ったら上司、先輩、同僚には「売れなかった!」「売りつけた!」というような言葉で報告していました。
「買ってくださった」「買ってもらえなかった」と言う言葉ではなく・・・・
それではダメだということは明らかなことです。
しかし焦る営業マンはそんな余裕はありません
“いかに売りつけるか”ばかり考えてしまいます。
やがて商品ではなくて、自分自身を売ることを考えるようになります
「自分を気に入ってもらえる」ことで信用してもらう作戦です
これは大事なことだと思いますが「人柄でモノが売れる」時代ではありません
それはどうせ同じモノを買うなら「人柄が良い人から」ということになりますが、モノが悪いも
のでも人柄で売ろうとする行為はどうなのでしょう?
それで売れる人は人柄悪いですよね、悪いもの売りつけているわけですから・・・
人柄を磨く、すなわち「自分を魅力的にする」ことは大事なことです。
しかし根本的に私たちは「人(私)を売っている」わけではありません。
ヒト(私)を介してモノを売っているので「売るモノ」がお客さんにとって「買いたいモノ」でなくてはいけません。
「買いたいモノ」は、突き詰めていくと本来“営業にお伺いしなければ売れないモノ”ではいけないと思います。
もっと言えば“宣伝しなくては売れないモノ”ではいけないのだと思います。
言ってみれば「集まってくる引き」のある力のあるモノ
「この指とまれ!」といって集まってくるようなモノ、
モノに限らずヒト、ヒトに限らず会社
であることが「引力」なのだと思います
サッカー日本代表がW杯で活躍しました
日本代表、またサッカー、また選手達の「お客様」は居ません
居るのは「ファン」です、サッカーになるとさらに深い「サポーター」です
サポーターとは「選手対観客」といった関係、つまり「〇to〇」でなく「〇with〇」です
ここまでいくとまさに「引力」以外の何ものでもありません。
どうしたら「with」が叶うのか、そこにこれからのホロ社の大きなテーマがあるのだと思います
よく「魅力」を伝えるには直接的にアピールするのでなく、遠まわしに「感じてもらう」ことが大事と言われます
セールスの現場では「よいことを徹底的にアピールし、悪いことは言わない」
そんな手法使っていませんでしょうか?
これ決して長続きしません
そもそも誠意がありません
自分の欠点を隠しておきたい気持ちはわかります。
しかし、商売ではお客様、個人では例えば彼氏彼女、結婚相手などにいつまでも隠し続けることは出来ません
アメリカの16代大統領リンカーンも言っています
「全ての人を一時的に騙すことは出来る、また一部の人をいつまでも騙すことも出来る、しかし全ての人をいつまでも騙し続けることは出来ない」と
そう隠し続けることは出来ないのです。
また良いことを必要以上にアピールする、これもリンカーンの言葉と一緒です。
結局一番よい戦法は「よいことは遠まわしに」
遠まわしに言って「感じてもらうこと」が大事なのです
そのために「引力=魅力」は欠かせません
自分、自社、自社商品を磨くまくることで引力がつきます
懸命に外に向けて発信するより、勝手に集まってくる(この指止まれ的)ように自らを磨き上げていくことが実は近道なのではないかと思います
悪いことも言わなくてはいけません、悪いことを自白することで誠実さが伝わる場合があります。
「ぶっちゃけ〇〇・・」といって、それまで封印していた自分の気持ちや弱い部分を曝け出すことで、それが好感につながって、それまでの何かしっくり来ていなかった関係性が一気にふっきれるということがあります。
(最近のネタで言えば、サッカー日本代表の異端児(と言わている)本田選手が直前合宿で、自分のそのキャラクターから巻き起こしているであろうじめっとしたチームムードの中にメンバー達に自ら飛び込んで”ぶっちゃけ話しませんか?“と歩んでいったことで、流れが変わったといわれています)
そのような相互理解や共感の輪を主体的に築こうとすると何かしら「引力の法則」が作動するようになるのだと思います。
引力は放っておいては勝手にはつきません。
主体的に「引きのある力」を持てるように訓練しなくてはいけません。
それが、“自分磨き”、自分の魅力は「発信してなんぼ」ではありません、「感じてもらってなんぼ」
そこは受動的ですが、しかし「感じてもらうには」よほどアクティブ(行動的に)かつアグレッシブ(攻撃的)に自分磨きに励むことが不可欠なような気がします
人格を高める、理念を高める、利他心を高める・・・
本当に宗教的な修行に近いものがあるかもしれません。
自分が魅力的になることで、回りの人々がどうなるか、社会がどうなるか、世の中がどうなるか・・・そんなことまで考えていきたいと思います。
自分を高めていくことで、何かが変わる、変えることが出来る
国を越えても時を経ても普遍的な原理原則のような気がします。