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マンスリーレポート

2013年01月

コミュニティ創りを生業(なりわい)とするホテル

 

1999年1月から操業が始まったホロニックの15年目の年が始まりました
いつもこの頃になると振り返ってしまうのですが、私自身31歳の頃、私含めた5人のスタッフで、以前の会社(PDS)の事業(御影・蘇州園)を引き継いでの門出でした!
その頃はブライダル専門会場の運営をしておりましたが、なぜか「ホテル事業」または「コミュニティ業」という言葉を使っていました!
今思い返すと、その頃抱いていた「ホテル業」とか「コミュニティ」などの真髄や本質など理解していなかったと思います!
感覚的に、“そんな事業をやりたい!”、とか、“それが世の中に受ける”と考えていたのかもしれません!
やりたい事業(仕事)や、成功する事業などは、特段サービス業に絞られる必要もなかったのでしょうけど、それはやはりそれまで5年ほど携わったブライダルの仕事に強い可能性を感じ、一方でそこから派生する・・・つまり似たような“ホテル業”や“レストラン業”などの職種、業種に対して“不充足感(なんかぬるい業界やな!!的な)を感じ、裏を返していえば「ポテンシャル!」を感じたのだと思います!
もう少し簡単に言うと、「この業界!もっとこうなれば・・・、もっとこうすれば・・・、もっと、もっと!!、自分がお客さんだったらこうやあーや・・・」という感情や心情がたくさんあったということです!
今、改めて私自身の事業観を深く自問自答していくと、以下の2つに集約されることに気づきました!
・新しい市場、新しい事業構造(モノやコト)を創る、切り拓きたい
・社会に必要とされるコト、モノを創りたい
これが私の私欲、私心の原点なように思いました!
今ある状態に対しての「アンチ」的な目線、そこが「新しい事業の種」になるし、それが世論(お客さんの立場的な目線)に受け入れられるということは世の中に必要であり求められていることだと思ってこれまでやってきているような気がします!
これは多分、私が就職をする前から抱いていた、もっというと生まれながらの生活環境や親から受けた教えや生き様などもひっくるめて培われていった志向なのだと思います!
そんな漠然とした思いの中で、最初に就職した会社で感じたことは
「いきがい、やりがい、働きがいを皆が持つことが出来れば会社も個人も幸せになるような、よりよい社会になるんじゃないか!!」ということでした!
そのように感じた背景には様々な事象があったわけですが、何か、活き活き出来ていない人が(自分も含めて)多い、そこには活き活きならない会社や社会があるんじゃないかと感じていたのだと思います!
ホロ社のビジョンの中で掲げられている、「人々の生活環境の充実、生活感度の向上」というのはその辺の私の志向や仕事を通じて感じた背景から来ているのだと思います!
そんな思いを抱きつつも、ではそれを実現するためには何をすればいいのか・・・
“いきがいややりがいのある社会へ!”などというと何か政治家や政党のスローガンのようでもあり、何か非営利団体などの活動のようにも聞こえます!
私はそのような活動に特段関心があるわけでもありませんし、これもまた親の薫陶?を受けているのかもしれませんが、事業家としての血というのでしょうか・・・・「新しい市場、新しい事業」ということを築いていくことに強く惹かれていました・
「経済活動、もっといえば「儲かる=営利事業」であること」 × 「社会性、人々が生きがい、やりがい、働き甲がいを持てる社会」
これらが同時に満たされていかなければいけないと思っていましたし、いまでも思っています!
18年ほどまでにブライダル事業をはじめた頃、この事業は「新しい!!」と思いました!
もちろんこれまでブライダル・婚礼というのは、ずっと昔から行われてきました。
今でいうIT産業のように突然として現れてきた業種ではありません。
また、ブライダルという言葉があったかどうかわかりませんが、婚礼儀式は古来からあったわけですから、そういった意味では「新しい」というわけではありません!
私たちがやろうとしたことは、何が新しかったのかというと、これまでの「(婚礼の)あり方」でははないスタイルが、今の時代や世代の消費者にマッチしたもの・・・・それが新しい「あり方」であり「やり方」だったのだと思います。
今までのスタイルに対する「なぜ?」がたくさんあったこと、そしてそれを追及していくことで新しい市場を開拓していったのです!
私もよく事例に出すのですが、クロネコヤマトの仕事は昔郵便局、セコムの仕事は警察、コンビニだって30年前まではなかった業種(しかしスーパーなどの小売店というのは江戸時代からったわけです)、しかしそれまでのあり方に「なぜ?」を問いかけることによって生み出されてきた業種です
その「なぜ?」の追及によって事業性を生み出し、企業が生まれ、成長し、新しい産業(市場)になっていく、この現象こそが社会に必要とされる本丸だと思ってる私です!
そういった意味でブライダル事業というのはとても素晴らしい事業であるし、新しい市場として成長してきました。
人の幸せを生み出すことが出来る素敵な職業でもあります!
しかし、この仕事は一過性のイベント業でなく、本当に人の人生に影響を与えていく感性を持ってやりたいと思いました、(また今でも思っています)
結婚式をプロデュースすることは「恋愛のゴール」なのではなくて「家族のスタート」
そう考えると、他でもなく「絆づくり」であり「つながりづくり」のお手伝いなのです!
“わずか2~3時間の間の挙式、披露宴をつつがなく進行させて感動させて(して)終わる!!”というだけのものであってはいけないと思うのです。
私は創業当初から言っていた「コミュニティ」という言葉・・・・当時は感覚的に使っていたと思います!
ホテル業を始めた時、地域密着ホテルをすることが「コミュニティホテル」なのだと思っていました
そして地縁的つながりがコミュニティのすべてと思っていました
今確信的に思っていることはコミュニティというのは「つながりづくり」、ただその一点といっても過言で
はないと思っています!
血縁というつながり、これは切っても切れません、家系、直系などという言葉が使われているようにこれはまさにタテの繋がりです
地縁というつながり、これもなかなか切れるものでありません、しかし最近それが枯渇していると言われて様々な社会問題(一人暮らし老人の増加、孤独死、おひとりさま・・・・などなど)、を引き起こしています。まさにヨコの繋がりです
それに加えて、目的縁、テーマ縁というのが、情報化社会の進化などの発展によって出てきている概念です!
これら3つの縁がこれからのコミュニティを語る上でのキーワードなのだと思います!
またこのコミュニティづくりによって、人の生きがい、やりがい、働きがいなどの影響を及ぼす重要な要素だと思っています!
そして実は私たちのやっている対面接客サービス業にとって重要なことが、いわずもがな「サービス力」「おもてなし力」なわけですが、それって、お客様と密着度に他なりません
ファンづくり、リピータづくりというテーマをないがしろにしているホテル会社はありません
まさに「顧客創り」こそが私たちの唯一、絶対的な目的でもありますので、それは「縁づくり」すなわち「コミュニティ創り」と同義語だと思うのです!
婚礼の事業も一過性のイベントでなく、それから始まる永続的な関係づくりと位置付けると、それはコミュニティの概念です!
GCCOで行われている会員コミッティや異業種交流会も、同じ目的やテーマを持った同志のつながるづくりと考えると、それは単なるハコ貸し屋でなくなります!
宿泊事業においても、チェックインチェックアウトの対応だけであれば電車などの切符切りと一緒ですから、それはやがて自動化されてしまいます(現にほとんどの駅では自動化されていますし、一部ビジネスホテルなどは自動チェックイン機械が導入されています)
お客さんとどうつながるかは、日々の宿泊のお客様との関係性の中でも重要なテーマなのだと思います。
ホテルというハコモノの集客ビジネスをしているいわゆる「ホテル屋」発想でなく、
(=その装置、空間にお客さんを埋め込む!という発想でなく)、
コミュニティを育む場
(=お客さんと繋がることで勝手に?装置、空間に引き寄せられていく)
としてのホテル事業ととらえていく、
(とすると、もしかしてホテルという既存の業態にこだわる必要はないかもしれません)、
すると、私たちがやろうとしている事業はとても社会性の帯びた実業になります!
あとは事業性をどうつけていくか!!
それは・・・・「儲ける」ことです!
「儲け」の文字を分解すると「信・者」
宗教団体ではないですが、まさに「信者づくり」に励むこと、換言すると、愚直に「超・顧客」をつくり、育むことでそれは必然的に、かつ自然に「コミュニティづくり」ということになっていくのだと思ってい
ますし、それが唯一無二の「儲けの源」になり、事業性を帯びてくるのだと思います。
だから、
“ホテルマンとしてコミュニティ(=顧客のつながり)をつくる”のでなく
“コミュニティ(=顧客とのつながり)を生業(なりわい)にするホテルをつくる”
何が違うのか? 主語が違うのです!
“顧客をつなげる、顧客とつながる”、それが主目的とされたホテル
ホテルという装置や業態は、その主目的のための手段や場です
そんなことを真剣に考えて経営している同業者(ホテルなどの集客産業)は正直、私の知るところはありません!
私たちはそのドまん中、いや先駆者になりたいと思っています
力強く!!今年もみなさんよろしくお願いいたします!