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マンスリーレポート

2014年04月

挑み拓く

2014年度が始まりました。ホロ社創業15年が過ぎ16年目を迎えます。

この期を迎えるにあたって、これまでも数々の困難な局面もありましたが、

そんな中でもこれまでにない「腹の括り感」で臨み迎える心境です。

そしてこのホロ社という会社、組織、チーム、仲間をどうしていきたいのかという

経営者としての責任を全うするために全精力をかけて臨んでいきたいと思っております。

 

かつて、日本の戦前、戦時中、また歴史で学ぶ、幕末や戦国時代の頃、現代と比べて格段に情報が少ない中で、

その頃の人たち(武士、兵士、商人、事業家)は戦っていました。

歴史書やメディアなどを通じて知るその状況は、

直接「戦(いくさ)」に参戦する兵士や武士であれば「敵を討つ」ことだけに集中し、

そこに「なぜ」が介入することはありません。

その意味を考えることは一般兵士に考える責任はおろか、権利すら与えられていませんでした。

それを担うのは幕府や司令部。

そこで戦略を練り、先の事態、

もっというと将来の日本の絵姿を描きながら管理、統制していく責務を負っておりました。

 

そんな乱世の時に、時のリーダーの決断は大変大きな意味を持ちます。

その判断、決断がその瞬間だけでなく、その後の将来世代にも影響を及ぼす。

先のことなどは神のみぞ知るところでありますが、

それでもリーダーはそれを予測し、決断をくだす!リーダーとはそういうものです。

ややもすると、

「リーダーと言われる立場の人が“決断する”」のでなく「決断出来る人間がリーダー」なのだと思います。

つまり「リーダー」というのは「資格」でなく「資質」なのではないかと思います。

時のリーダーと言われる人には、共通した「パソナリティ」というのはありません。

人間的に見ると非情に映る人も多いので

決して万人にとって人望があるわけでもなく、人格者であったかどうかもわかりません。

しかし共通して言えるのは「意志の強さ」だったのではないかと思います。

情報の少ない現場(かつてで言えば軍隊や武士侍)は

そのリーダーを信じ生死を決して戦うわけですから、その任たるは想像を絶します。

 

ところで私が尊敬する経営学者、野田一夫先生という方が居ります。

先生は私の以前居りましたPDSという会社の社長のお父様であり、

日本でいくつも大学を立ち上げてきたいわゆる「ベンチャー学者」です。

そんな先生のところには数多くの起業家が集まってきていました。

その一人がソフトバンクCEOの孫正義社長です。

そんな孫正義氏の若き起業した頃にこう言ったそうです。

「孫君、夢と志の違いがわかるか?」と

首をかしげる同氏にこう話したそうです。

「夢は漠然として個人の願望であり個々人の未来の願望、

しかし志は、他人の夢や多くの人の願望をかなえてやろうじゃないか。という気概だ。

夢は快い願望だが、志は厳しい未来への挑戦。だから次元が違うんだ。

君は、夢を追うなんて程度の男になってはいけない、志を高く持て。」

と言ったそうです。

 

その逸話を雑誌の対談で読みましたが、私は背筋が張り詰めました。

私にとって、またホロ社にとっての志はどこにあるのだろうと、事あるごとに考えたりします。

なぜこの会社を興したのだろう?その会社や組織をどうしていきたいのだろう?

そこに集う仲間たちにどうなって欲しいと望んでいるのだろう? 将来どうしてきたのだろう?

願望だけ言えばたくさんあります。

しかし〝気概=志“でいえば、なんなのか・・・・・。

そして私の中のひとつの答えが、やはり「常に新しいことに挑戦すること」に集約されるように思いました。

 

年頭挨拶で「唯一無二の会社になりたい」「世の中に必要とされる会社になりたい」と言いました。

これだけであればまだまだ願望かもしれません。

しかし、その根本には、事業を通じて世の中の人々、またその生活が豊かになる、幸福になる、平和な社会になること・・・・

よりより世の中になることに少しでも貢献したい、

それをホロニックとして事業を立ち上げたわけですから、

つまり新たな事業体を立ち上げて始めたわけですから、その独自なあり方ややり方、

また“(自分たち)ならでは”の事業を立ち上げてそれを実現していきたいと思っています。

 

ホロ社は今ホテル業を生業としています。

ホテル業の中でも「コミュニティ型ホテル」という分野を

いかに社会に必要とされ、認知されるようにしていくかというテーマがあります。

 

ホテル業が成立するいろはは、

いわゆる「必要な場所に必要なハコをつくる」ことで成り立つわけです。

つまり「立地商売」というのがホテル業の鉄則です。

 

しかし、今私たちがやっていることは「必ずしも必要である場所でないところに、

必要性をつくる」仕事なのではないかと思っています。

「必要性をつくる」ことは容易ではありません。

 

例えば、今では携帯電話は人々の必需品になりましたが、

25年前には存在すらしなかった、必要性などなかったモノです。

コンビニエンスストアもそうかもしれません。

 

しかしこれらを経営する会社が、長い年月をかけて「必要性を創りだした」のです。

結婚式場ビジネスも飽和の時代ですが、かつては「入れ食いの時代」がありました。

式場が少ないわけですから、今ほど労せず商売が出来た時代がありました。

そんな時代にインターネットなどありません、

情報が少ない時代だからこそ独り勝ちが出来た時代でもあります。

まさに「必要なところに必要なものをつくる」構造で成り立っていました。

そんな頃にゼクシィが発刊されました。

発刊当時は、鳴かず飛ばずだったそうです。つまり「必要性がなかった」のです。

しかし、新規会場が増えると共に、この媒体の必要性が爆発しました。

今やこのメディアは他の追随も許さない強烈な媒体になって業界の発展に寄与しています。

 

楽天トラベルや一休ドットコムなども同様です。

やはり25年前には、そんな会社すら存在していなかったのです。

今考えると、昔はネットエージェントなくどうやって集客していたのだろうかと思うくらい、

「必要不可欠」な存在になっています。

そしてそれが業界の発展、繁栄に寄与しています。

 

勿論ユーザーである消費者にとっても「旅の選択肢」が増えることで生活スタイルが向上する

そんな生活者に大きく貢献しています。

「必要性をつくる」ことで「新たな社会が出来る」のだと思います。

 

私は社会人になって3年間くらい、サラリーマン生活を送りながら、

自身のことも含め

「人が生きがい、やりがい、働きがいの持てる社会になれば、もっと日本は豊かな国になるのでないか・・・」

というのが自分のアタマの中に漠然ながらもずっとありました。

 

何か、仕事や会社や社会に対して前向きになっているとは思えない上司、先輩が多かったからかもしれません。

そんな彼らも立派に最高学府を出た人ばかりでした。

 

私は野田一夫先生の言葉でもうひとつ感銘を受けた言葉があります。

「学がある人間は、自らが業を興して、学のない人を雇用する、それが最高学府を出た人間の責任だ。」

と言われました。

そんな学のある人でも

「かい」(いきがい、やりがい、働きがいなど)をなくしているシーンを目の当たりにしました。

 

かつては自分だって、そんな中で不平不満ばかり、

いつ会社を辞めようかなどとばかり思って、それを会社体質のせいにしていました。

しかしそんなことを言い続けても、思い続けていても何も発展性も生産性もないと思い、

何か出来ないか、何かしなくては。という想いで会社を飛び出しました。

 

それ以来、今に至るまで、ずいぶんやっていることは変わりましたが、

その時期に思い描いた原点でもある「生きがい、やりがい、働きがいの持てる人をつくる、そんな社会をつくる」というのは

一貫して私自身のテーマになっているように思います。

 

それを実現するためのひとつのテーマにしたのが「コミュニティ」であり、

その舞台装置としての「ホテル」というようになってるのだと思います。

舞台装置としてのホテルは、

「宿泊する施設」「食事をする施設」「宴集会などを施す施設」など多様な機能に溢れています。

そして人の生活に関わる「食・住」といった機能や欲求を満たすことが出来る事業であります。

 

ブライダルについては、

その新郎新婦の生涯の想い出の場所、また場面に立ち会い、

それをプロデュースするという素敵な仕事でもあります。

それもある意味、その人、またその家族、親族の“いきがい”に影響を及ぼすことの出来る仕事です。

 

また戻って来れる場所としてのホテルというのは、

その人にとっての第二の我が家にもなりえます。

ホロックはこれからの時代、これからの世代に必要とされる事業を創りだしていきたいと思います。

 

私にとっても、また私たち仲間である皆さんにとっても一度だけの人生。

生きがいのある人生を、やりがいのある生活でもって働きがいを持てる会社ないしは職場で送る。

そんな人生を共にしていく会社という組織の中で、

本当に「かい」のある人生を送れるように

「やりがい」のある仕事をしていきたいし、し続けていきたいと強く願っています。