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マンスリーレポート

2019年02月

気を生み出すメーカー

先日の新聞でパナソニックの社長の「モノ作らぬメーカーに」というタイトルでインタビュー記事が掲載されていました!

日本を代表する製造業(メーカー)の経営者が「モノをつくらない」と言う趣旨は、これまでのモノづくりの概念の否定でした。

「アップグレード→アップデート」という言葉も使っていました。

これまで経済成長を続けてきた日本は常に「アップグレード」が豊かさの指標だったと思います。

より大きく、より高級に、より高性能に…それを目指すことが善とされてきた。

しかし、これからは違うと…アップデート…「〇〇よりも」でなく「〇〇と違う、異なる」というアップデートの概念が肝心だということです。

そういわれてみると最近GAFAといわれる、GOOGLE・AMAZON・FACEBOOK・APPLEといわれる米国の企業群...

これらは「(これまで)より品質を上げている」というより、常に全く「(これまで)より違う」を提供し続けています!

アマゾンは気づいたら「本のネット販売会社」ではなくなりました。

もはや「映画製作会社か!」と思わすくらいの変貌ぶりです。

APPLEももはやコンピューターメーカではありません...というかコンピューターという言葉すら消えていきそうな勢いの市場をつくっています。

そういった意味で、パナソニックは相変わらずハードメーカーなわけですが、その品質を高めていく発想で「いいものの追求」「いいものを安く」

という姿勢の次元は終わっていくのだということを自ら語っていたわけです。

さて、私たちのホテルという業態も同じです。

「アップグレード」という言葉はよく使います

ホテルの客室を指定する際、出来たら同じ(ような価格帯)であれば、大きな部屋へ変更してもらうケース

またスタッフ側も、サービス品質を上げる手段として、また上顧客をつなぎ留めておく手段として客室のグレード(≒大きさ)を

上げることで満足度を上げるという策を講じることは常識的に行われています。

勿論、品質が高いほうが(ホテルでいえば客室が広い、新しいなど)お客さんは喜ばしいことは古今東西変わらないと思いますが、それが本当の満足度を高める、

ひいては繰り返し利用し続けてもらえる理由になるかというと…

つまり…双方(お客様とスタッフ)の関係性が強固なものとしてブランド価値を高められるかというとそうではないのではないかという話です!

私たちにとって、お客様が感じてもらえる価値は、そこで体験している時間と空間の価値です

すなわち、「過ごしの価値」です

ちなみに、お客様(とスタッフ)とのタッチポイントが多ければ満足度が高まる、、、すなわちベタベタサービスをすることで全てのお客様にとって共通する満足度の指標になる...

という時代でもなくなってきたようにも思います!

だから、この「過ごしの価値」というのは極めてファジー、曖昧で感覚的なものです

思いつく言葉を並べると、気分、気持ち、気配り、気心、気概、気づき、元気、勇気、やる気,、、、など「気」といった言葉に大いに関係することばかりです

そこには機能性や規模性などのように目に見える形で押し測られるものはありません。

製造業に限らず、サービス産業においても今後その目線が大変重要になってくるのだと思います、、、というか元来サービス業はそこがそもそも本領であったはずです。

ホロ社の経営姿勢は「いきがい・やりがい・はたらきがいのある人々に溢れる社会」をどう築くかという『甲斐』にフォーカスするということは先月のレポートでも書き記しました。

そのためには私思うに、そこに「発見」や「再発見」を見出せる機会...

「へえ~」「そうか!」「あ!」「おぉ~」といった感覚です!

この感覚があった瞬間に何か「気」が高まるように思います。

気が高まると「甲斐性」が出てきます。

だから、セトレを主体にしたホロ社の施設ではこの「気」

これを与え、与えられる関係性を築けられるような施設(舞台装置)にしていきたいわけです。

もっと言えば「施設≒ホテル≒装置」にこだわっていてもいけません。

「気づき・刺激・元気」といった「キ」を与え、与えられ、高め、広められる「“舞台”を演出する」ことにこだわっていきたいわけです。

最近は「ゆとり」とか「悟り」といった世代が多いと言われて久しいですが、どんな世代になろうともこの「気」を求めていない人はいません。

きっとこれが高まることで世の中が活性化していくのだと信じて疑いません。

ここに業界や業態の垣根はないのだと思います!

家電製品メーカーであろうとホテル業であろうと...もはや「モノづくり・コトづくり」は大きく変わっていくのだと思っています。