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マンスリーレポート

2013年12月

「いきがい、やりがい、はたらきがい」

ホロニックが会社を登記して誕生したのが1998年12月でした

今2013年12月ですから、丁度15年を終えようとしています

 

15歳というと中学生卒業です!義務教育が終了という年頃です。

つまり、一人前の大人として扱われる、大人としての自覚を促される、そして大人としての「人格」が出てくる時期でもあります。

 

果たしてホロ社は、世の中で生きていける、食っていけるような「法人格」が出来たのでしょうか?

はっきり言ってまだまだダメ・・・・学生なら親のスネ、会社でいえば世間様のスネをかじって生かしていただいている状態だと感じています。

将来、自分はどこに向かっていくのか、そのためにどこに進学するのか、そんな意志を問われるのも高校受験くらいからのように、まさにホロ社も、どこに向かっていくのが、そこを問われているのが”今“のような気がします。

 

私が起業した31歳の頃、ある経営者に「30代は“何が出来るか”で世間は評価してくれる、しかし40代になったら“何をしてきたか”で評価される・・・」と言われました

だから、30代は何にでも挑戦せよ!というエールを送ってくださったと共に、挑戦しないことへの警鐘を送っていただいたのだと思って思わず「襟を正した」ことを覚えています。

 

先日、公私共に懇意にしている立命館大学の石崎教授が言っていました

「新卒で入って28歳と32歳がターニングポイントで、28歳は丁度会社の辞め時で、この時期ならば異業種への転身が出来る、そして受け皿も多い、しかし32歳になると異業種は無理、だけど同業種でキャリアを磨くことが出来る、その先になると、もう機会はない!」と・・・

(勿論“機会がない”というのは悪いことばかりでなく、その会社や組織と共に成長やキャリアを積むことでいきがい、やりがい、働きがいを求めていくことは出来ます。)

ということで、節目というのは思いがけずにやってきて、それが案外にも「ターニングポイント」になることが多いのだと思います。

 

振り返ってみるとホロ社も常にターニングポイントになるくらい、波乱万丈が続いていますが、今一度「潮目」を変えていく時期が“今”ととらえるべきなのではないかと感じています。

 

いわゆる中学生期間であったこの3年間、ホロ社は成長をしておりません。

むしろ停滞しました。

 

勿論、世の中の景況感も停滞していましたので、現状維持であれば御の字と言ってくださる人も居ます

しかし私たちは元来「ベンチャー企業」です

新たなことにチャレンジしていくことで生き残りをはかる会社ですから、現状維持は停滞も同然です。

成長軌道に乗せていくにはどうしたらよいかこの一年間随分苦慮しました。

今も苦慮はしておりますが、成長の原資はやはり「儲け」「稼ぎ」・・・これは普遍的なことだと思います。

 

そしてその「儲け」「稼ぎ」はどうしたら生み出せるのか? 

どうしたら生み出すかには、様々なやり方があるのだと思いますが、どこから生み出されるかということについては唯一無二だと思います

まさに「人から」です

お客様からいただくおカネ(稼ぎや儲け)を生み出す窓口、いわゆる最前線は・・・そう!私たち「現場スタッフ」です。

つまり「人材」、そう皆さんスタッフの方々からしかありません。

 

特に私たちのようなサービス業、とりわけ対面接客業では「モノ」が物流しません

なので,なおさら私たちの立ち居振る舞いそのものが価値としての対価になります。

それしかありません!

 

ところで、世界の統計ではサービス業の生産性は日本ではとても低い、宿泊、飲食業などは欧米のそれが100とすれば30程度だそうです。

生産性とは付加価値率、つまり「売上-原価の率」・・・つまり粗利益です・・・つまり目に見えない“空気への価値評価”の率が著しく低いのです。

これだけ「おもてなし」で優れた接遇力を持ちながら、生産性が低いのは、「売り手」の数が多いからだそうです。

つまり「供給過多」ということです、「買い手市場」ということです。

換言すると競争が激しいということでもあります・・・外食産業を見ていると一目瞭然です。

人口は減り、高齢化しているので、いわゆる「胃袋の容量は減っています」が、独立して飲食店を始めたい人は後を絶ちません。

 

「売り手」は増えるのに「買い手」は減る・・・

 

すると「買い手優位になる」だから「買い手市場」・・

 

すると「買う側の要求度が高まる」・・

 

なので「売り手は利を出すための労力やコストがかる」

 

だから「儲からない」

 

だから「付加価値率が下がる」

 

だから「生産性が低い」という構図です。

 

しかし、一方で、だからこそ「鍛えられる」ともいえるでしょう。

私たちの旗艦店である舞子セトレの目の前の明石海峡は「明石鯛」で有名ですが、なぜ明石の鯛が旨くて、かつ価値が高いのか・・というと潮がきついからです。

潮がキツイと鯛もそこで生き残るためには体が締まってくる・・・

つまり“身の締まった白身”が明石鯛の特徴。

しかもそんな鯛は品薄です・・・ということで価値が高まるわけです。

鍛えられる環境だからこそ、強さを持つことが出来て、価値がグンと高まります。

 

だから理屈でいえば、私たちの対面接客ホスピタリティ産業においては、日本国内の過剰市場でなく、世界に打って出れば「勝てる」可能性があるともいえます

この生産性を上げるためには「稼ぐ力」をつけ「儲ける仕組み」を編み出していく、

そのための「人材力」が不可欠と言えると思います。

 

さて、課題はその「人材」です。

どうしたらよいのでしょうか?

よく組織の人材には「人罪」「人材」「人財」という3種類の人種?が居るという人がいます。

もちろん、皆が「人財」であることがパーフェクトなわけです。

やはり、私が思うには「人材」が「人罪」に陥らず、「人材」が「人財」に高められるような環境、風土を築いていくことが会社の責務、一方で人材も、「財」になるような高い、意識や志を持って主体的に生きることが大事です。

そしてとどのつまりはやはり「生きがい、やりがい、働きがい」を持てる個々人の集団こそが強い会社になるのだと思います。

ホロ社にもたくさんのスタッフが働いてくれていますが、果たしてそのような組織になっているでしょうか?

 

皆さん(うちに限らずどこの社員さんも)の声を聞くと「労働時間が・・・」「休暇が・・・」「給与水準が・・・」「職場との人間関係」が・・・「職場のムードが・・・」「(上司なりから)期待されているか否か」などを基本テーマに「働きがい」を取り計っています。

 

また「働きがい」が「やりがい」につながるわけですが、誤解を恐れずに言うと、組織にぶら下がっている限りはこの基本テーマはずっと解消されることはありません。

どんな時代もこの「かい」(いきがい、やりがい、はたらきがいの“かい”)を持って生きる人は、組織を自ら組成する人であったり、または組織に埋没しない人です。

組織や会社は、生きる(働く)上での手段です。

ある意味鉄棒と一緒かもしれません。

ぶら下がっている方が楽でしょうが、ぶら下がっていてもやがてしんどくなって手を放したくなります。

そこで懸垂するのは大変ですが、懸垂を続けるとそれもやがて楽になって来ます、しかも勝手に手、腕、胸など体中が鍛えられ筋肉がついて、力もついてきます!

力が付くと、自ずと「やれること」が増えてきます!(伸身宙返りなども出来るようになるかもしれません・・・)

「やれることが増える」と「やりがい、生きがい」といった「かい」が高まってくると思います。

それはぶら下がっている限りは実現不可能です。しんどいけど、チャレンジすることが大事です。

 

私はホロ社の社長としては、スタッフの「かい」を高める環境を充足させていくことに腐心しなくてはいけないと思っています!

そうなっていない組織なのであればそれは経営者の責任に他なりません。

だから私も苦慮しています。

しかし、是非皆さんも考えて欲しいと思うのです。

 

先日、かつての米国大統領、故ジョンFケネディ大統領の令嬢であるキャロラインケネディ氏が日本の米国大使に就任され話題を呼んでいましたが、父J・Fケネディ氏の名言は今でも全世界に語り続けられています

 

 

「国があなたに何をしてくれるかを尋ねてはなりません、あなたが国のために何をできるか考えて欲しい」

 

 

ホロ社は国家ではありません、単なる民間中小企業ではありますが志だけは国家並みの想いを持っていきたいと思っています。

そして全て「いきがい、やりがい、はたらきがい」を持って生きる人材こそが国や会社などの組織においても重要な人物になる「人財」であることは間違いありません!