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マンスリーレポート

2011年04月

「コミュニティの復権」

 

まずはこのたび3月11日に発生しました東日本大地震によって被災された方々へ心よリお見舞い申し上げます。
出来事以来1ヶ月ほど経ちますが、いまだ痛ましい被災地の状態に心痛めておりますが直接その被害を受けていない私たちにとって「私たちでも出来ること・私たちならば出来ること」をスローガンに全社挙げて義援金募金活動を皮切りにこれからも引き続き能動的に活動していきたいと考えています
さて今回の震災によって気付かされたことのひとつ
3月11日まで日本の新聞やニュースでは、エジプトで紛糾や中東情勢での紛争、北朝鮮問題、はたまた国内では国会での与野党でのつばぜり合いなど、「争いごと」が多く話題にあがっていました
それが今、少なくても日本国内では震災関連一色
そこで改めて、人間は、地球人は「争うことに力を注ぐ」ことから「助け合うことに力を注ぐ」ことに生き方の構造を変えていかなくてはいけないのではないかと強く思いました。
専門家ではありませんのでよくわかりませんが、人間以外の動物、生物は生きていくために他の生物を(食するために)殺す、しかしその時に必要なだけを食し、あとは生かす(本能のまま食いだめとかしないということ)、その生かされた生物(餌に該当)もそれによってまた繁殖する、と行った具合に多様な生物が持続的に生きていく為の循環が自然に出来ている
しかしそれが今、環境破壊や地球温暖化などでその循環が狂ってきているということです
自然の摂理に逆らって生物多様性の概念を壊しているのは他ならぬ人間のようです
環境問題と一体で持続可能な社会という言葉や概念がセットのようにクローズアップされていますが、持続可能な社会を目指していく上でこの環境問題以外でも「人のつながりを形成する」という面で担える役割も大きいのではないかと感じています
今回の震災からの復興がいつまでかかるかわかりませんが、「人とのつながり」の度合いがその速度を高めるのではないかとも思います
これだけの大事であれば、日本以外の国でははるかに大混乱になっていたとも言われています
日本人の気質、助け合う精神が改めて評価されている、またそれが日本の強さだと報じる海外メディアなどもあります。
まさに今失いかけてきている「コミュニティ」というものは見直されてますし、またこれからもっとその潮流は出てくるものだと思います
「争うことに力」でなく「助け合うことに力」が向くことで社会の構造が変わるでしょう
さて私たちホロ社の本業はホテル業です、ホテルオペレーション会社です
一般的にいうとその分野です
もう少し細かくいうと「コミュニティ型ホテルの運営会社」です・・・少しわかりにくくなります(少なくても説明を要します)
今年からもっと言い方を変えました
「ホテル等を通じたコミュニティ創造企業」
「ホテル業」と「コミュニティ業」との主語が逆転しました
後者が主語(目的)、前者が述語(手段)です
手段であるホテル業の中にも、主に宿泊業、飲食業、宴集会業(ブライダル含)の3つが包含されています
さらにこの3つの業を単体でやっている企業もあります、
ホテル業、外食企業、式場企業などなど多数ありますので競争が激しい業界です
私たちは3つの業をやってその集合体をホテル業と呼んでいますが、決して「宿泊=泊まる、泊めることを目的」、「飲食=食べる、食べさすことを目的」「宴集会=集める、集まる、イベントを開催することを目的」にしているわけではありません
「お客さんに喜んでもらうため」・・・これは当然大事なことですが、絶対条件ではありますが、充分条件ではありません
では何が「充分」なことなのでしょうか?
「つながってもらう」ことです・・・・
誰と?(WHO)
私たちと、そしてお客様同士と・・・
何で(つながる)?(WHAT)
同じような価値感、意識、目的、感性といった「好縁」
もしくは
同じ地域、ご近所、といった「地縁」
どうやって(つながる)?(HOW)
私たちのつくる企画や仕掛け、アイディア=ソフト
ホテルという舞台を使って=ハード
子供の世界では「仲良しグループ」
学生の世界では「サークル」や「クラブ活動」
大人の世界では「寄り合い」「組合」場合によって「会社」(カンパニーというのは仲間という意味もありますので・・)も
そんな「つながり」です
ではなぜ?(WHY)コミュニティ(つながってもらう)なのか?
祭りの多い地域は、気質の荒い(柄の悪い?)人たちが多いと言われています
が一方で、自殺者や引きこもりの人が少ないと言われています
人が人を見ているからです、かまっているからです、極端にいえばおせっかいなのです
見られているストレスもあるでしょうが、見られることで秩序が保たれることも多い
また見られることで存在意義(アイデンティティ)が維持されます
マザーテレサが言っています
「愛の反対は憎悪・・でなく、無関心」と
そんな無関心の輪がコミュニティの崩壊を招いています
日本のかつては「みんな一緒」でしたが今は「それぞれひとり」
それが個性の時代と言われ、それがよい意味では自立性を育みますが、悪くむかうと孤立化していきます。
時代は変わっていますので、物質的に豊かになったこの国でかつてのような「みんなで手と手を取り合って」という時代には戻らないと思います
しかし、ひとのつながりの大事さ、尊さは失ってはいけません
それは今回の震災で多くの人が実感していると思います
私もそのひとりです
私たちホロ社の経営のテーマは社会のテーマでもあります
だから私たちひとりひとりの目標は「コミュニティを創出すること」です
私たち現場では日々オペレーションに従事し、集中しています
だから日々従事している仕事のその先になにがあるのか、何のためにあるのかを意識しながら毎日の仕事に向かっていないかもしれません。
しかし、はっきり言えることは皆さんにとって(もちろん私にとっても)「現場に向かって日々仕事を回すこと」は目的ではありません、それは手段に過ぎません。
もう少し崇高な気持ちであればお客さんに喜んでもらうことで現場へ出ます、
でも、繰り返しますがその時、その場でお客さんに喜んで満足していただく意識をするのは「絶対条件」ではありますは「充分条件」ではありません
今の時期 来年卒業を控える学生さんが就職活動に躍起です
そこまで躍起になると就職すること、もしくは希望の会社に入ることが目的になりがちです。
しかし誰が見てもそれは目的ではありません、自分の人生、自己実現における手段のひつつに過ぎません
それと一緒です、
では私たちホロ社の皆さんの仕事において何が充分なのでしょうか?
「コミュニティをつくること」
そこの意識を高めることです!
果たして宿泊スタッフにとってはそれって何?どういうこと?
レストランスタッフは?
ウエディングプランナーにとってコミュニティをつくるって?
そんなテーマをそれぞれがもっていける、そんな個々人の集まりがホロニックであってほしいと願っています
これまでも皆さんがそれぞれ意識的か、無意識か別にして「コミュニティ」というものをつくってきました
ガーデンシティクラブの「コミッティ」
これは経営者の方々が集い、語らい、価値感を共有する有効な機能になっているコミュニティです
セトレでは「セトレカフェ」
セトレで結婚式を挙げた方がまた戻ってきてもらって集い、思い出に浸ったり、プランナーと談笑したりする機会になっています
それもセトレで結婚式をした人たちは何か皆似たような生活感度やスタイルを持っていて、そんな人同士がつながる、またその機会をつくることもそれだけでコミュニティ創りになっています、もちろんそんなお客様は必ずリピーターになってくれます
姫路では「ムゼクラ」
ムゼアーレのお客さんがムゼを中心にその空気感に共感したりやスタッフとの関係性を強めるそんな場面をつくっています、それもコミュニティ
ハイランドでは「ステイプランナー」
まさにホテルの機能だけを求めて来ているのでなく、その過ごし、世界観に共感してきてもらう、そしてそこで私たちとの関係性を築く機会にもなっています
レジャーの要素が強い業種ではありますが、大事なことは「人とのつながり・絆・共感」です
まさに今年の年初に掲げた「TOからWITH」です
人を集める「集客ビジネス」でなく「関係性の集まり」を築く会社でありたいと思っていま
震災以降、コミュニティが見直されています
これは有事における「助け」かもしれません
しかし平常時においてももはや「争うこと」でなく「助け合うこと」に力を注ぐ、そんな社会にしていくために私たちホロニックは存在する!
そんな社会的使命を秘めてさらに経営の品質を高めていく
「コミュニティの復権」が私たちホロニックの大命題なのだと思っています!