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マンスリーレポート

2011年05月

「ホロニック2011年度方針」

~12年構想に向けてRe・START~

先般4月25日、26日の両日、創業12年経過したこの会社で初めて全社員研修が行われました
参加者は100名近くにのぼり外部のブレーンの方々も招き、同じ目的、同じ空気を共有する機会がありました
その中で私から改めて「これから12年の構想」を掲げました
また、なぜそれを今やるのか・・・
これからの世の中(日本)50年くらいを予測した仮説から紐解き、具体的に到達する位置を皆で共有する
またそれを実現するために今(今年度)すべきことを2つのテーマとして掲げました
それを改めてこのレポートで振り返ってみたいと思います
まず私たちの目的は
コミュニティづくりを通じて
人々の生活を豊かにして
よりよい社会をつくりたい
この一点です
ホロニックの理念、目的は、これ一点です
そこをまず皆さんで共有しておきたいと思います
その上で・・・
今期やること
人材システムの構築×事業モデルの確立
これだけでは意味がわからないと思います。
なので、それを述べていく上で少しこれから起きる将来、これからの50年というのを予測展望してみたいと思います
 
これからの50年
① 日本の人口が8000万人に減少する(現在比約70%)
この現象によって一体どういうことが起きてくるか・・・
私たちの業界、仕事に近いところで述べてみましょう
* 外食産業は「産業としての体」がなくなる
人口が減りますので、必然的に胃袋の数は減ります、またおじいちゃん、おばあちゃんが増える、つまり高齢化してきますので胃袋の質も低下してきます
当然、市場は減退します
しかし、生活する上で「食べること」また「外食すること」がなくなることはありませんので飲食店舗がなくなるということはありません
但し、これからは、本当に安心、安全、おいしい豊かな食空間を提供出来る事業者だけが勝ち残る(生き残る?)
つまり競争が激しくなる、飲食業は料理人ならば多くの人が「将来自分の店を持ちたい!」と夢に描くように、ある意味だれでも参入できる仕事です
だからこそよっぽどの差別化が必要です
 
つまりは・・・
本当に理念、信念のある経営者や職人だけしか生き残れないということです
こだわりない「食」は確実に淘汰されます
* 働く女性が増える
人口減少に伴い労働力の低下が日本経済の衰退を促進します
今の生活水準は、今働いている人たちが生み出している経済活動のレベルですから、単純に70%の人しか居なくなれば、その分の労働力が必要、もしくはあと30%もの生産効率を上げていかなければ今の生活水準は維持できません
そこで新しい労働力です
女性の社会進出が定着してきたとはいえ、まだまだ風土が確立しているとはいえません
これから益々女性の社会進出が促進され、国家もそのための政策をドンドン促進してくるでしょう
つまり女性にとって職場環境の充実というのは必須になるということです
* 農業が発展する
これから高齢者の人口が増えるとなると、それは健常老人が増えると考えられます
つまり「働ける老人が増える」ということです
今の農業に関するデータは下記です 3
農業は日本国内において衰退しています
それによって休耕地がドンドン増えています
すなわち、荒地や放置された畑がドンドン増えているというのが現状です
さらに日本の食糧自給率は40%
いわゆる自分達が食べるものが国内産素材であるものかどうかの率です
これは先進国の中で最低です
これも国の政策として大いなる課題、社会問題化されています
つまり、私達が普段食べている食事の材料の大半は海外生産のものに頼っているということです。
ちなみにフランスはファッションや観光としての産業が盛んで有名ですが、実はフランスは見ての通り「農業国」なのです
そんなことから、これからは農業という分野は“急成長する!”かは別にして、おそらく参入していく余地がかなり大きいと思います
また農家が高齢化しています 4
農家の高齢化に伴って農業が衰退するといわれていますが、私はこれから健常老人が増えるのであれば、益々農業に従事する高齢者が増えるのではないか、産業界で引退した人などが農業を支える位置までに成長するのではないかと思っています
むしろ高齢化を追い風に活かせる産業ではないかと思っています
現にグラフにあるように数年前までいなかった「自給的農家」が現れてきています
ここは増えてくると思っています
従ってこれから高齢化する日本の人口、またそのような健常老人が、企業などに留まるのでなく、農業を支える労働力になるのではないかと思っています
 
* ブライダル産業は完全に淘汰される
グラフでも一目瞭然ですが、確実に婚姻人口は減少します
今は年間70~80万組の婚姻届出数があるといわれていますが、早晩50万組くらいになることはこのデータを見ればわかります
当然突然変異が起きて人口増加することなどありえませんので、これは予測値でなく「既に起こった未来」です
これによって市場は確実に縮小します
しかしこれも外食産業同様、結婚式がなくなることはありませんので「ブライダル」という概念がなくなることはないでしょう
しかし、資本のある大手企業はこれから中国を中心とした海外に進出するでしょう
また今も始まっていますが「内製化」です
ブライダルに関わる事業を根こそぎ自社で抱えてやることで競争力を強くする志向の企業が増えるでしょう
いずれにしても確実にいえることは、ハコモノとしての結婚式場やホテル、ハウスといった資産は減少するし、また価値を落とすことになるでしょう
では残る資産は何でしょうか? 6
まさにこの光景が最大にして唯一の資産になると思います
お客様とのつながり、またお客様同士のつながりを築き上げていくことが生き残る、勝ち残りのためのキーワードです
今「ポストハウスウエディング」ということで「ハウスウエディングの次は何か!?」みたいなことが業界で議論されていますが、そんな次元でありません
お客様との関係性、一生に一度の想い出の場、出会いから始まる・・・それがブライダルビジネスの本流になるのだと確信しています
② 観光産業は需要拡大する
これからの観光産業、特に国内の観光需要は益々高まってくると考えれます
10年ほど前に当時の小泉首相が「YOKOSO JAPAN」キャンペーンたるものを発表し(2010年までに1000万人)観光立国への道筋をつけました
それ以来海外からのインバウンドは急増しています
 
オレンジ色の折れ線を示すのが訪日外国人、いわゆるインバウンドです
この表からもこの10年近くで400万人から800万人まで増加しています
2008年観光庁が創設し、これをさらに2020年までに2000万人を目標にしています。これは単なるスローガンに終わるかどうかというと私は充分伸びていく可能性があると思います
それは今、急速な経済成長を続ける中国、またロシアやインド、これらの国々がこれから経済成長していくことを否定する人はまずおりません
当然、経済的に豊かな国になることで国民の生活も豊かになり、その流れで余暇の機会や余裕が出てきます。観光や旅行ニーズが高まります
どれだけ高まるかというと単純にこの国に人口分とするとこうです
中国:13億人 インド:12億人 ロシア:1.4億人
ちなみに日本の人口は1.2億人、桁違いであることは明白です。
これらの国々の人々が日本に海外旅行に来るとは限りません
が、まずポイントはこれらの国々から日本は近いということです
そして何より、日本は世界のどの国よりも治安のよい国、すなわち安心で安全であること
それは旅行客にとって最大のメリット、すなわち日本は海外旅行客にとって最強の適地といえるのです
しかし、ではかといってそれに吊られるように日本の宿泊施設などが潤うかというと、そんな簡単な話しでもないと私は思います
これからの観光は「観に行く」だけでは魅力を訴求できない
つまり、世界遺産や城や大仏やなんだといった「何かを観る」だけのニーズを満たすだけではダメです
もやは「観る<体感する、学ぶ」です
そのためには点ではなく面で魅力を出さなくてはいけません
まさに「地域の魅力です」
では地域の魅力とは・・・
それはまさに地元生活者が自分達の町に誇りを持っている、自分達の町を愛している、そんな街であるということ・・・・「おらが町」という意識が根付いた地域です
すなわちそれは「コミュニティが確立された地域」ということです 8
③情報産業の進歩
ご覧の通りもはや情報産業といえばもう誰も知っている会社ばかりです
アナログ人間の私が語るにはあまりにも奥が深すぎます、また動向速度が早すぎます
ご覧の図、上に伸びている線は人が情報を得ることの出来る量の推移です
物凄い勢いで情報入手が簡単に出来るようになりました
一方で消費可能情報量、簡単にいえば「必要な情報」です
それはさほど昔も今も変わっていません
つまり莫大な情報洪水の中で便利にはなったけど、本当に大切なことは変わっていません
これだけ情報入手が簡単に、つまりタダで情報が得られるということは、それだけ簡単に人とはつながります、しかし簡単に出来る関係は簡単に切れることも出来ます
本当に深い関係にはなりにくいともいえるでしょう
それの話しはとりあえずここでは置いておきます
このグラフから読めることは、この2つの曲線の差はこれからも広がるのではないかと思います
そしてこの差を埋めるところにビジネスチャンスがたくさんあるのです
人は皆情報洪水で仕分けや区分けが出来なくなってきます 9
それを「してあげるビジネス」がこれからドンドン出てくると思われます
テレビCMなど広く宣伝する手法はこれまでのような大きな効果が見込めなくなる可能性があります
いくら広告費にお金をつぎ込んでもダメです
情報を提供するだけでは価値が伝わらない
ツイッターのフォローワーもお金で買えません
彼らは、共感になびくのです
まさに情報をお金で得る時代は終わります。
共感されること、それによって消費されたり、つながったりする
そんな時代がやってきています
④ホテル等の装置産業にはブランド力が必要
人口が減少し、海外からの旅行客などの入国者が増えれば当然ホテルなどの受入れ施設の競争は激化します
それは海外からのホテルブランドの進出などが盛んになるという意味でもあります
リッツカールトンが京都に出店するニュースが先日もありました
これから益々激しくなるであろう競争の中で、いかに自社の独自性を出せるか(=私たちは何者か?)
そしてそれを見える化(=きちんと表現できるか)
それが確実に施設の優劣を決します
私はアメリカにモーテルという業態があるように、おそらく日本でいう宿泊特化型ホテルはホテルという業態ではなくなるのではないかと思っています
「デイリーマンション」という言葉になるかどうかわかりませんが、少なくてもホテルというカテゴリーそのものがもう少し絞られ明確になるものと思います
その話しは別にしてもホテルや旅館というハコモノ業態のあり方が変わってくる
また特徴、独自性をどう出せるか、それは下記図のような概念になっていくと思います
私たちはお客様へ、もしくはお客様のために
英語でいえば「〇〇 TO △△」もしくは「〇〇 FOR △△」
そのような関係から、「WITH」
“お客様と共に”ということが競争優位性を高めることになると考えています
関係性をつくること
これはお客様に育てられて成長する、でも私たちもお客様を育てていく姿勢が大事
ゲストとホストの関係が変わると思っています
 
⑤ そして・・・コミュニティは復権する!
これまで4つの側面から将来予測をしましたがもう一度おさらいしたいと思います
まず「外食産業」です
まさに「TO」「FOR」から「WITH」
お客さんと一体になってる姿、昔でいう「一杯飲み屋」「おかみさんのいる割烹」「頑固おやじの店」
まさにコミュニティ、つながり、触れ合いのある店です
「働く女性が増える」
まさに女性の社会進出がさらに求められる社会の中では、職場における社員同士の理解、または助け合いの精神が求められます
社内託児所といったハード面でのサポートはもちろんでしょうけど、それ以上に仲間同士の理解が大事です
それもやはりコミュニティの大事さということではないでしょうか
「農業が繁栄する」
農業というのはたくさんの意義が潜んでいます
まず人間の本能として持つ「育てる喜び」・・母性本能みたいなものです
自給率40%と地に落ちたわが国の農業の現況を救うべく貢献意欲
また農地そのものが寄り合い場になるのではないか・・・
この図を見ていてもそれを感じます
これもやはりコミュニティとしての概念が必要なのです
 
ちなみに下記の図ですが
人がお米を買う際の基準のレベルを示した図です
もちろん安全性というのは大事
もし経済的に豊かでない国の人々であればおそらく価格が一番に来るでしょう
当然その次の味
私が注目したのは最後の「生き物を守ることへ共感」
これが10%程度あります
これはまさに日本のように経済的に豊かな国の国民ゆえかもしれません
生物多様性、持続的社会、最近風でいえばLOHAS
お互いがお互いを尊重しあい生きていくことへの共感
「食べさせていただいている」「生きさせていただいている」
そう思うことへの共感
これもある種、相互扶助の精神でありコミュニティのありかたを説いています
 
「ブライダル産業」
まさにお客様との関係性を築き上げていくことが唯一にして最大の私たちのこれからの資産です
式当日がゴールなのではなくて、スタートにしていく
イベント業としてのブライダル産業は終焉を迎えると思います
これは関西学院大学校内にある教会です
決してスタイリッシュ、オシャレなチャペルではありません
最近でこそこの礼拝堂は多少宣伝していますが、以前までは、全く宣伝などしていませんでした
宣伝せずに向こう1年くらいはずっと一杯でした
西宮の山手の交通の便の悪いところにあります
しかもこの礼拝堂は関学関係者しか挙式を挙げることが出来ません
衣装など諸々の必要なことについても制約だらけです
ですが一杯です!
なぜでしょう?
一番のポイントはここです 13
関西学院の大学生は4年間ずっとこの学び舎に通います
いつもこの教会を横に見ながら校舎に入ります
それだけ大学への愛着、そこでの思い出、仲間と共通ネタ
もうそれだけで充分なのです
4年間宣伝し続けているようなものです
4年間築き上げられた絆というものほど強いつながりはないでしょう
これもやはり大学というコミュニティのつながりでしょう
「観光産業は・・・」
まさに今や「点から面」
面とは地域
観る<触れる、体験する、学ぶ
その地域の魅力をわかりやすく住まいで考えてみます
新しいマンション、住宅を購入しようと思ったら、どんなところ見ますでしょうか?
もちろん新築だとか、立地、ロケーションなどハードにも重要な要素はあります
しかし、もしそこに暴力団関係者がたくさん住んでいるとか、子供の学区として不安(つまりガラが悪い)となると、ハード以上に躊躇する理由になりませんでしょうか?
もちろん例えば「オタク」の人ばかりが住んでいるマンションであれば「オタクでない人」にとっては全くNGですが「オタクの人」にはたまらないコミュニティです
そうやって決めるでしょう
つまり地域の魅力はその地域の人たちの活力や志向、柄、特徴、そんなものに表れる
そこに外来者は魅かれるのであり、また避けるのであります
 
「情報化社会・・・」
情報入手が簡単であればあるだけ人のつながりはたくさんつくれますが、簡単につながる関係は簡単に切れるというのは自然の摂理です
つながるためのコストが安くなったのは情報化社会の進歩のおかげです
そしてそれは益々進歩するでしょう
しかし本当のつながりをつくっていくのはやっぱりそこそこコストがかかるのだと思います
そこにはやはりアナログの感性が必要なのだと思います
ぬくもりとか想いはやはり「FACE TO FACE」からしか伝わりません
そういった意味でアナログ型のつながりは永遠に不滅だと思います
「ホテルブランドは・・・」
欧米から発展したホテル業というのはホスピタリティという概念があります
サービスという言葉は「サーバント」から来ています
いわゆる「主と召使」との関係です
日本は元来「おもてなしの文化」と言われます
 
これは「主客一体」の概念です
禅の言葉で「一期一会」とありますが、これは一度の出会いをこれの時ぞとばかりに対峙することの大事さを教えています
茶の湯などでよく使われている概念です
それは「主(あるじ)と客」に真剣勝負だということです
対等に対峙することでそこで共鳴をよび新しい価値、新しい関係を築く
私は日本の昔から伝わる「おもてなし」という概念や言葉がこれからの対面接客業、またホテルや旅館などといったサービス業にもっともっと必要になってくる、復権していくことを固く信じています
なぜならそれがこれから、この業を永続的に発展繁栄していく上では欠かせない姿勢であるし、またこれから差別化が色濃く求められる中で大事な概念であると思うのです。
誤解を恐れず言うとすると、”お客様のいいなりになること“がサービスの真髄なのではなく、きちんとお客様と対話、対峙できる関係を築くこと・・・ひいてはその姿勢こそがサービス業界やそれに従事する人材の価値を高めていくものと確信しています。
 
これからの12年
さて実はこれからが本題です
これからの50年を展望してみましたが、その将来から俯瞰してみて、今のホロ社の位置はどんなところにあるのか?
またこれからのホロ社はどうなっていくのか?(べきななのか?)
そこを皆さんと共有していきたいと思います
2年前に12年構想というのを発表しました
それを今回リセットしたいと思います
前回は単なるスローガンに留まっていました
よくホロ社にある(というか私にありがちな)「言いっぱなし」です
これでは皆さんの心に響きようがありません
自分の思いあがりだったのではないかと反省しています
そもそも会社のビジョンは社長の単なる夢であってはなりません
メンバーの皆さんの合意のある下で共有されるものになっていかなくてはいけません
今居るメンバーの出来るだけ多くの人、願わくば全員が共有できる目標でなくてはいけません。
今日発表する「12年構想図」をたたき台として皆さんと「共感の輪」を築き、広げられたら幸いです。
ホロ社は今年で12年経過しました
干支でいうとひとまわり
人間でいえば小学校卒業くらいです
思い返すと長かったような気もしますがまだまだ子供です。
それでも5人で始まった会社が今では120名もの社員、加えそれ同数程度のアルバイトの方によって支えられています
ではこれからの12年どうなっているか?
それがこの図になります・・・・
 
・農地運営(第一次産業として)・農業観光推進(アクアツーリズム)【農業生産法人】【オペレーション事業】・歴史的建物・文化遺産の保存・活用×・コミュニティの集積地として活用【コミュニティファンド事業】・コミュニティ事業の体系化・教育機関例)シブヤ大学【研究及び制度機関】(産学連携)情報サービスメディア運営(セトリズムのWEB版)・コミュニティサイト・広報誌の発行【情報関連事業】
真ん中の本業の事業が鎮座しています
これが本流です
コミュニティ型ホテルの運営を「自社ブランド運営」「運営受託」「コンサルティング」という3つのタイプで行っております
「自社ブランド」は現在セトレ(ムゼもですが・・)だけですが、これからいくつかのブランドラインナップをつくっていきたいと思っています
ハード施設等は再生もしくは新生で、ソフト面は新生開発していくタイプです
「運営受託型」はいわゆるハードも、ソフトも再生していくタイプです
既存施設でオーナー様が居る中で運営を受託していくタイプです
今の時代、またこれからに時代このような施設再生型の案件ニーズはまだまだたくさんあるのが現状です
「コンサルティング」は私たちが本流の真ん中にするホテル以外の分野でも展開していきたいと考えています
対面接客業、また装置型集客施設、人材集約型事業のノウハウは多少業態違えど、考え方の根本は一緒です
そのような本流本業以外、他の4つの異業種新規事業を展開、また関連事業を展開していきます
12年後の取り扱いなどの指標は以下になります Ⅰ自Ⅱ運Ⅲ
 
ご覧の通り現状と比較すると想像がつかないくらいの規模かもしれません
これを実現するには店舗のGMや料理長、また各事業部門長があと44人必要です
おおよそ年間4名くらいコンスタントに輩出されていなければいけません
コンサルタントは20名は必要でしょう
これだけでも立派なコンサルティング会社として成立します
さてこの12年で私たちは何を達成するのか?
コミュニティ創造企業としての社会的認知
そして
コミュニティ型ホテル業の社会的地位確立
この2点です
12年後これが実現されています
ではなぜそれを達成していくのか?
繰り返しですが・・・
コミュニティづくりを通じて
人々の生活を豊かにし
より良い社会をつくりたい
 
この一点です!
世の中の人々をコミュニティづくりを通じて幸せにしていきたい
ホテルなどのハードはその舞台装置、すなわち手段に過ぎないということです
誤解の無いように伝えますが、手段ではありますが「重要な、貴重な手段」であり「不可欠な道具(ツール)」です
そこで展開される、レストラン、宴会、宿泊、ブライダル、それに不可欠な料理や演出、それもツールですが、目的遂行のためには欠かすことの出来ないツールです
いくらイチロー選手が子供達に夢を与えたいと思っても、野球という競技やバットがなければ実現できません
それと一緒です
そして12年経過したときの組織のイメージです
3つの本部があります
今あるのは営業本部と管理本部だけです
これに経営企画部たる存在が登場してきます
営業本部には各店舗の運営を司るGMが居りますが、その縦割り組織に加え、業種別の横割り組織が出来ています
いわゆる営業・調理・サービス・ブライダル・・・・といったいわゆるその職種に特化してそれぞれブランドづくり、商品作りを企画立案して発信していく役割です
いわゆる職人達のたまり場です 20
経営企画部には全社的な、人材開発、新規事業や新規店舗の立ち上げや開発、全社PR部門や事業開発など様々です
管理部門には経理、財務、総務に加え、上場も果たしていることから内部監査やIRといった部署もあるでしょう
いずれにしても1200人の大所帯です!
そして12年後以降の姿ですが
本流本業事業から、関連事業の取り扱いが増えていきます
今の段階で何が適切な関連事業かどうかは私自身しっかりイメージできてはいません
しかし「コミュニティ創造企業」という傘の元でさらにその後の将来を見据えた事業のポテンシャルは今以上に高まっていると思っています
それに備えた先駆者としての私たち
それを確立するためのこれからの12年ともいえます
そして12年後以降は
海外進出の本格化と関連事業の本流化が実現されていることでしょう
海外進出は12年後から始まるわけではありません
12年後から本格化されるということですから、これからの12年の間で礎をつくる意味でも展開そのものはしているでしょう
関連事業も同様です
 
今期やること
人材システムの構築×事業モデルの確立
今一度現実に向き合ってみます
これら12年構想を実現する上で、今私たちがしなくてはいけないことは何か?
その第一歩がこの2つの項目です
大それた12年後の絵姿を実現するにあたり、今から必要なことは“人材が揃っている”状態でなくてはいけません。
そして
潤滑に事業を伸ばしていくためには儲かるビジネスでなくてはいけません。
すなわち事業モデルが確立されている必要があります。
会社の大構想にイメージが沸かない人が居ても、今の会社や自身の課題はそのまま皆さん社員ひとりひとりの抱いている課題や疑問として感じることが出来るでしょう
まず「人材システムの構築」から・・・
要は・・
「働き甲斐のある職場」
「やりがいのある組織」
「生きがいの持てる将来(キャリア)」
この3つを満たす行動です
どんな行動かというと
「風土」と「制度」の構築です
制度だけつくってもダメです(もちろん制度は不可欠ですが)
風土も同時に大事です
それをひとつずつ追っていきましょう
「働き甲斐のある職場」・・・
例えば今ホロニック社内で結婚して働いている女性はHS社含めても3名しかおりません
120人も社員が居てたった3名、
子供が生まれても仕事を続ける女性が増えているといわれる昨今でもこの様です
制度は確かにあります、しかし風土がありません
そこを解消していきます
次に「やりがいのある組織」
これはひと言でずばり「給料をあげる」です 22
もっとも分かりやすい指標です
お金が全てではありません、全面肯定はしません
が、お金は充分条件ではありませんが、必要条件だと経営者は考えるべきなのだと思っています
そもそも世の中の経営者の多くはいかに「いかに人件費が下がるか」ばかりを考えていますが
社員の立場に立ったら、“いかに人件費が下がる”かを考えている社長の下で働きたいとは決して思いませんし、人件費をコスト、それはつまり「人=コスト」と発想するとろこでやりがいなど決して見出せません
きれいごとかもしれませんが私は決して忘れてはいけないところだと思っています
さてその給与ですが、そうはいえでも打出の小槌のように勝手に降ってくる・・というわけにはいきません。
給与は利益が出なければ捻出できません
「利益」、すなわちそれは「儲け」です
「儲かること」を実現するには「利益率が高い」ことが必須です
「利益率が高い」ことを実現するのは2つの方法があります
1 原価を下げること
2 (原価そのまま以上で)利益幅を上げること
利益率が高いということは「付加価値が高い」つまり「(お客様から)高い支持を受けている」つまり「値打ちが高い」つまり「割安」(割りに安い・・)ということです
付加価値が高いということは他社との競争力が高いということです
他社よりも強い、つまり「どこにもまけないオンリーワン」であるということです
 
上記1によって利益を捻出するということは原価を抑えるということ、費用を抑える、とすると人件費も抑えるということになります
それでは給与を上げるという方針にはそぐいません
なので導入すべきは2です
私たちが利益幅を原価を下げずに上げるには目に見えないサービス力やホスピテリティ力といったものを上げていく必要があります
それはお客様に喜ばれるということに尽きます。
いかにお客様を喜んでもらえるか、それが給与アップの道筋です
そう感じてもらえるような風土や制度をつくっていきます
「生きがいの持てる将来」・・・・
私はこの数年、ホロ社を辞めた人もしくは辞めそうになった人をたくさん接してきました
理由のおおよそはこの2点に集約されます
ひとつは「見えなくなってしまう人」
それは自分の位置がわからなくなる、会社の目指す方向が見えない、もしくは一致しない現象です
ひとつは「重要感がなくなる」
自分はここに居てよいのか・・という迷い、役に立っているのか、貢献しているのか・・・
またその実感が持てない?与えられていない?
この2つです
ここも私は反省して修正したいと思います
12年構想に向けて具体的にこれから必要なポジションや役割をこれを機会に明確にしてきたいと思います
またそれを実現出来るような、頑張れる環境、ワクワクするようなキャリアの明示
そして各人が誇りに思える組織にしていきたい
また重要感がなくなる実感・・・
今居る社員の皆さんは誰一人として必要のないひとはいません
縁あって採用し、採用された仲間達です。
どんな力不足であろうが、伸びや悩んでいようが、少なくてもホロ社に今所属してビジョンを共有しようとしている人たちにムダな人はひとりもおりません
それは改めてたくましく宣言しておきたいと思います
 
次のテーマ
「事業モデルの確立」
私は事業モデルといえる状態というのは
収益が出る
かつ
出続ける状態
こう考えています
もう一度売価グラフをご覧ください
原価を下げることで利益を出すことは出来ます
しかしこれは一時的です
この状態を続けていれば利益が出続けることはありません
従って
原価を下げない、むしろ上げる、そして利益幅も上げる、結果それが売価を上げるということです
価格を上げると売れなくなると考えてしまうのが私たち「売り手側」です
価格を上げるのでなく価値を上げるのです
世界中のどこにもスーパーラグジュアリーブランド品を値切る人は居ません
私たちのサービスや商品は決してラグジュアリーではありませんが、価値に絶対的自信を持つことは私たちにとって大変重要なことです 25
そしてもうひとつ大切なことをお伝えします。
利益を出す、出し続けることは事業モデルを確立していくには必要条件ですが、利益を出すことが企業の、すなわち私たちホロニック社の目的ではありません
会社にとって利益を出すことを人に置き換えると、それは「息をすること」と一緒です
人が息をすることは、生きる上での目的ではありません、手段です
では目的は何かというと、人でいえば「自己実現」とか夢をかなえることです
それを企業に置き換えますと、「社会貢献」、もう少しほぐすと、“他への貢献”
そのように私は考えています
なので
利益は企業の永続的発展のためのコスト
利益(給与?)は個人にとって自己成長(夢をかなえるための)していくための原資
そのような認識の上で私たちホロニックの目的は
コミュニティづくりを通じて
人々の生活を豊かにして
よりよい社会をつくりたい
まさに
「コミュニティ創造企業」
を目指していくのです
 
そのための第一歩、今優先していくべき2項目
人材システム
これは「社内における同志的結合」
事業モデル
これは「社外(顧客等)における同志的結合」
だと考えています
社内、社外全方位網で
「関係性を築くこと」
それが
「コミュニティづくり」
今期の目標成果シートでテーマに出しました
各人にそれぞれ考える「コミュニティづくり・つながりづくり・絆深め・共感の輪」を課しました
100人居れば100コものコミュニティが創れます
それこそビジネスモデルのタマゴです
 
最後にお伝えしたいこと
創業10年後の会社消滅率は何と・・・95%
20社に1社しか残らないそうです
ホロニック社は幸い12年経過して残っています
5%の生存率の中で生き残りました
この12年色々なことがありました
潰れそうになったこともありました
私が今すぐ挙げられるだけで辞めた事業所は15箇所あります
それに伴ってそれだけの人材も辞めています
今居る社員の皆様の数以上はるかにこの会社を去った人の方が多いのです
そんなことが繰り返されても、しばらく自分に矢印を向けて、自分に原因があることに向き合うことが出来ませんでした
本当に経営者失格です
そんな中で今頑張ってくれている人、そして去っていた人たちの礎(いしずえ)があって今こうして立っていられるのだと思っています
本当に感謝しています
さあ、そしてこれからの12年です
創業30年後の会社消滅率は何と・・・・・99.98%
5000社に1社です
これもはや奇跡です!、人間の医療手術の成功率で考えると「絶望的」です
まさにこれからは奇跡へのチャレンジです
奇跡かもしれませんがホロニックがこれから50年、100年続く企業にしていくことを前提に私は宣言しています
100年後は確実に私は居ない、50年後であっても、仮に生きていても経営に携わっていることはないでしょう
そんな長期的視点に立って今を見据えてみると、これまでの12年、またこれからの12年などはまだまだ創業期です
これからの12年は ホロニックのDNAを築く12年です
創業期の仕上げの12年です
今いるメンバーの皆さんは歴史をつくる創業メンバーです
出来る限り、ひとりでも欠けることなくこの場で一緒にこの方向に共に走っていけることを願っています
これは私ひとりの夢であっては決して実現出来ないことです。 28
皆と一緒に共有、共感された“志”でなくてはいけません。
会社の行方はもちろん社長の信念に拠るところがありますが、しかしその実行には”みんなの力“や”みんなのベクトル(方向指示機)“が合致していなければ実現出来ません。
換言すると、みんなそれぞれの夢が、会社の向かう理想とあっていることがとても大事なことです。
是非改めてみなさんにも考えてもらいたいと思っています。
最後にもう一度
今年やることは
人材システムの構築
そして
事業モデルの確立
これをきっちり実行して12年後・・・
コミュニティ創造企業としての社会的認知
そして
コミュニティ型ホテル業の社会的地位確立
これを実現します!
そしてその先の目的はこの一点
コミュニティづくりを通じて
人々の生活を豊かにして
よりよい社会をつくりたい
これに向けてのスタートを2011年
将来この年が歴史的な転換点だった言われるようになることを願っています
 
【 参考文献 】
総務省 統計局 http://www.stat.go.jp/index.htm
農林水産省 http://www.maff.go.jp/index.html
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/index.shtml
関西学院大学 http://www.kwansei.ac.jp/index.html
日本政府観光局 http://www.jnto.go.jp/jpn/tourism_data/survey_material_details.html
総務省優勢事業庁 通信白書
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/japanese/papers/98wp2-6-2.html