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マンスリーレポート

2012年02月

「クールジャパン」

 

日本では、今そしてこれから急速な勢いで「成熟国家」に向っています
人と一緒で高齢化しているがための国の活力がかつての勢いを無くしているという言い方も出来るのでしょうか?
メディアなどでも「少子高齢化」傾向を楯に、福祉問題、それを増税と併せて問題、課題にしている報道は周知の通りです。
これも戦後の焼け野原、敗戦国家から這い上がり世界でも稀に見る成長国家になったからこそ(今なお世界でも有数の経済国家でありながらも)、停滞ぶりと将来不安がクローズアップされる。・・・・という印象は私含め多くの人が感じるところかもしれません。
そして今、国内総生産(GDP)の60%を超える、つまり日本という国家を支える経済活動の多くが「サービス産業」であることから、これからこの分野を伸ばそうとしています。
政府は、その分野の中で「ファッション」「食」「メディアコンテンツ」「地域産品」「住まい」「観光」を「クリエイティブ産業」と位置づけ経済産業省を中心に育成していこうという取り組みが始まりました。
いわゆる、これらの産業を輸出していこう!と・・・つまり海外進出!
私が子供の頃「漫画」といえば親から決して、読むこと、買うことを薦められる道具?ではありませんでしたが、今その漫画が、大学でも「漫画学部」が出来たり、専門のミュージアムが出来たり、美術館では展覧会が開かれたり、日本の漫画技術は世界で高く評価されているようです。
和食はご存知のように、ミシュラン本を見てもわかるようにもはや歴史ある本場フランスのフレンチレストランよりも店の数が多いのではないでしょうか?
また日本のミシュラン本を見ても大半が和食です
まさに和食を掲載するためのミシュラン日本版をつくったかのごとくです
観光も同様、
海外に出て行く日本人は年間2000万人を超えますが、日本に入る外国人は1000万人も満たしません。
これは世界23位(昨年の震災の影響で560万人まで下落し世界40位に転落しそうとのこと)とトップのフランス(7500万人余り)の10%程度にしか充たしません。
世界で第三位の大国(中国に昨年抜かれました)日本、そして世界でも稀にみる安全国、歴史のある日本という国は、観光にとってこれほどない魅力のあるはずなのですが、まさに鎖国しているかのように外国人の入国者が少ない。
また、私達が携わるホテルや飲食といったサービス業においても、その品質の向上に向けた人材のモチベーションや技量は、いままだサービス途上国である中国はもちろん、欧米の星付きレストランやホテルに負けない、むしろ勝っているサービス力だと思います。
フランスの5つ星ホテルに行っても、日本語で対応してくれるスタッフは多くはありません。
日本の旅館などにある、女将さんや仲居さんらのいわゆる「おもてなし」のレベルは「サービス業」として世界に誇れるものだと思います。
話しは変わりますが・・・・
柔道という競技は日本のお家芸ではありますが、今や世界ルールの中での行なわれる競技になりました。
従ってオリンピックでも日本がメダルを独占できる状況ではありませんし、現に柔道人口は日本よりフランスの方がはるかに多いのです。
日本で生まれ育ったもの(スポーツ)が世界の中で「業界(道界?)」として君臨しています
スポーツに限らず、日本で生まれ、育ったものです。
最近は今更?ながら由紀さおりブームが欧州でブレイクしているということですが、日本の歌謡曲が世界で見直されているということのようでもあります。
これら見直されるべき日本で培われたものがたくさんあり、それを「どう売って出るか!」
これがこの成熟国家になっていく日本のこれからとても大事な成長(維持?)戦略のように思います。
クールジャパンのこの6つの分野に私達ホロ社の事業は少なからず「食」「地域産品」「観光」「住まい」という4つの分野に引っかかっています
私たちはコミュニティという分野に今事業を集中していますが、それは「地域といった地縁コミュニティ」と、加えて、「同じような目的、価値観などでつながる好縁コミュニティ」といったものがあると考えています。
いずれにしても身近、ゆかりのあるところで人がつながる、絆を深めることが大いなるテーマであります。
繋がり方が様々になってきたのは自明のことで、これは国を越えたり、時代を経るといわゆる「繋がり方=やり方」は変わってきます。
しかし「繋がりたいニーズ」という「あり方」は普遍的なものだと思います。
何かの縁でつながる関係を求めている人、またそのニーズはどこにでも転がっています。
だから私は「外へあえて打って出る」よりも「内を固める」ことで、必然的に(勝手に)「外に発信されていく」ものだと思っています。
化粧は外見を変えますが、本当の美しさや魅力は内から秘めるもの(内臓が健康であったり、精神が豊かであったり)で、それが「本質」であり、本質は外の人がきちんと見えればわかるものです・・・
地域活性化もそうですが、その地域に魅力があれば外から勝手に人が入ってきます
魅力が湧き出ていたら、ヒトやモノやカネは勝手に入ってくるもの
だから、今自分たちの持つ資源を見詰めなおしていくことがとても重要なことだと思っています。
京都の町家の片泊まりを体験する人の多くは外国人のようです、それ以外であれば都会人、
京都の昔ながらの住まい、普通の生活者の生活のシーンを求めてわざわざ外から人が来る
京都の人にしたら、何てこと無い普通の日常の生活観が、それだけの可能性を秘めています
新しいモノをドンドンという時代は終わりました
今もなお、WEBという業態においては、新しいものがもの凄いスピードで進化しています。
メディアコンテンツというのもそれがきっかけに成長してきているともいえるかもしれません。
しかし、そのようなある種バーチャルな世界の成長の一方で、リアルな世界では違う「繋がり方」が求められているような気がします
私達の商売道具は施設という「ハード」です、または立地条件というロケーション、それは不動産としての価値です
まさに文字通り「動かない産物」です
一方私たちが施して、生み出している価値は目に見えない「心地」とか「気分」といったものです。
儚くも「動く産物」・・・というか、「揺れ動きまくる産物」といってもいいでしょう
だから・・・
「(ホテルという)ハード」がなければ私たちは商売できない・・・ではいけない
コミュニティ創りの絶対条件にハード(施設)はありません
ハードは「場所」に過ぎません、必要なのは「場面」なのです
ハードは場面づくりの場所設定という条件に過ぎません。
映画の撮影にロケ地がつきもので、それによって映画の仕上がりが全然違う・・・とも言われますが、しかしロケ地ありきで映画がつくられることはない(あっても稀)のではないでしょうか?
大学のサークル活動の拠点でも、「場所がどこか」が肝心なのではありません
「誰と・何を」という場面が大事、つまり共感するもので繋がるのです
コミュニティはサークルのようなものです。
そして私たちは「ホテルをつくる」のでなく「コミュニティをつくる」
そんな会社へ育てていきたいと思っています
クールジャパンをきっかけに、海外に対して日本を伝える、売り込むことがこれからの日本経済活性化に必要とされてきます。
私達がこれから蓄積していくノウハウは数少なくなっている日本のお家芸として、世界に注目されるコンテンツ=力です。
それは将来の天下国家の繁栄に君臨していける可能性があるのです