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マンスリーレポート

2012年03月

「新しい血」

 

ホロ社の新卒採用活動のシーズンです。
ホロ社は恒例になっていますが、入社説明会は内定者がその企画から運営まで行なっています。
このようなカタチになってもうかれこれかれこれ8年くらいになるでしょうか?
そもそもは、新卒採用は一年以上前からいくつもの工程を踏んでやるものですから、中途採用のようにその場その場の面接でパッと決まっていくものではない。
それだけに入念な準備やプロセスが必要です。
その上、不足している具体的なポジションに当てはめるわけではないので、つまり現場のマネジメント層にとっては具体的な、目の前の課題解決になる人材を採用するわけではない・・・
なので・・そこに時間を注げない(注ぐ情熱が持てない)・・・
なので・・必然的に新卒採用に手をかけられるのは内定者しかいない・・・
そもそもそんなところでスタートしたのが“実は・・”のところです。
しかし結果的にこの取り組みはすこぶるよい効果を生んでいると思っています。
まずは、内定者が入社前にホロ社のことを真剣に考える機会があるということ。
なぜなら、説明会を企画するのに自社のことをよく知らなければ伝えられないから・・
そこで既存社員と触れ合う機会はもちろん、入社したらなかなか事業所間での交流が減りがちで情報なども少なくなるのですが、入社前に広く触れる。
なので・・そこで顔見知しりの先輩が増える
そして、説明会を真剣にするために同期の間での絆、少なくても対話は必然的に増える
これはとてもよいことです
さらに・・、昨年“あっち側(学生)”だったのが”こっち側(会社側)“で主導することで優越感というか・・・よい言い方ではないですが「先輩面」が出来るわけです
一方、学生側も、内定者・・すなわちわずか一年しか変わらない先輩が“偉そう?に”権限持ってやっている姿を見て、「この会社は若手に色々任せてくれる!」という錯覚?いやいや“印象”を持ってもらえる
内定者のモチベーションが上がり、学生へのホロ社への興味が高まり、既存社員の仕事が減り、そんな取り組みをしていることがメディアなどにも話題にされる・・・
まさに全てにとってよい効果があるといえるでしょう。
ホロ社は新卒採用を数年続けてきました。
新卒入社の人材が優秀なのか?というと、必ずしもそういうわけではありません
(誤解がないように言いますが、優秀でないといっているわけでもありません)
大事なことは、就職活動という工程をきちっと踏んできているどうかです
つまり「選ぶ」ために(自分の人生、本当にやりたいことなどに)迷ったり悩んだり、
また「選ばれる」ために懸命に工夫したり、考えたり、へこんだり、(自身を)磨いたり、鍛え
たり
そんなことを短期間の間に繰り返ししてきていることが大事なのだと思います。
平気で就職活動当初と違う結果、または志向に変わっている人なんかもざらに居ます
そんなことで「自分で選んだ会社」、そして「会社に選ばれた自分」に対して自信や誇りを持つことが出来る。
そんな人材は、そう簡単に辞めません!
これは「人の性(さが)」だと思いますが、「(苦労して)自分で決断したことは簡単に捨てない」
中途採用の場合、すぐ決まります、逆にいうとすぐ「決めた・決められた」場合はすぐ捨てられます(諦められます)。
苦労したり、時間かけたり、お金かけたりした場合、多少のことがあっても「諦めない」
買い物でも一緒ですが、「清水の舞台から飛び降りるつもり」で大枚はたいて買ったモノやコトは簡単に捨てませんし、その選択を何とか正当化しようとする心理が強く働くものです。
もちろんすぐに辞めて(諦めて)しまう人もいることはいます。
その場合は、その人の問題だけではなく、会社が、“きちんと自社のことを理解、認識して入社してもらう努力や必要なプロセスを怠った結果も大きいと思います。
つまり、「採用」に対する、、換言すると、「人材に対する観点」、もっとわかりやすく言うと「人材が大事という理念」・・そういったものが欠如している、もっともっというと「人件費は“資源”でなく“コスト”」と考えているような経営者であれば、そりゃ人材は辞めやすいのは当然です。
当たり前ですが、自分がコストだと思ってその会社に入ろうとする人は居ませんし、コストだと思われているような会社で命も張れませんし、モチベーションもあがるわけもありません。
なので・・・「経営者の人材観」が「採用」ひいていえば「人材の質」に関わってくるのだと思います。
さて話しを戻します
私は会社説明会で出来るだけたくさんの学生を動員することは大切だと思っています
結果的に採用する(出来る)人数は限られているので、たくさんの母集団があると、そのあとの選考などが大変でそこで社員の手が取られますので非効率と考える人も居るかもしれません。
しかしそれは全然違います
特に私達のようなサービス業、また消費者向けビジネスをしている、しかも学生さんは、これからの婚礼にしろ宿泊、レストランにしろ、大きな潜在顧客です
この人たちへの「宣伝の場」と考えるだけでも有効です
「あの時素敵だ!と思ったあの会社の会場で挙式を挙げよう」とその時思い返してもらえる人が100人にひとりでも居てくれれば御の字です。
(ちなみに過去、ホロ社を最終蹴ってブライダル大手に入社した学生さんが数年後セトレで自身の結婚式を行なってくださったことがありました)
採用活動が、社員の日々の営業活動に手を取らしてしまうことは当然おきますがそんな手間、時
間、コスト?は決して負担ではありません、むしろ「研鑽」です・・・、
日々現場の仕事に埋没していれば、自分達の会社がどんな風に見られているのか触れる機会は少ないです
そんな中で、容赦なく会社のことを聞いてくる、学生にとって、自分の将来を決める選び、選ばれる場ですから真剣です。
自分よりキャリアの無い若者が自分より真剣に自分の所属している会社のことを聞いてくる、ややもすると自分より自分の属する会社のことを研究して知っていることに恥ずかしい思いをしたりもする。
社員にそんな体感をしてもらう絶好のチャンスなのです。
そのために割く時間は「お客さんと接する時間の方が大切」という次元の話しと全然違うと思います。
新卒社員は即戦力にはなりません。
しかし「即戦力」とはどんな人を言うのでしょうか?
すぐに現場で起用できる人?・・・それは確かに即戦力です・・・皿をたくさん持てる人は、皿を出す仕事が目的ならば即戦力ですが私達の仕事は「皿をたくさん持つこと」でしょうか?
営業経験がある人は手放しで即戦力といえるのでしょうか?
会社には社風という風土があり、その風土から商品やサービスが生み出され、それが魅力に感じるかどうかです
私が思うに阪神タイガースのファンは実は「阪神ファンのファン」なのではないかと思っています。
でなければ、中日から来た星野監督、広島から来た金本選手、新井選手などの寄せ集めチーム、つまりつい昨年までにっくき相手だった人のファンになるわけありません
そう、「風土」のファンなのです、まったく不合理な話しですがその情感こそが「ファン」のありかたなのだと思います。
人材が有効に機能するようになるため、つまり会社として磐石な状態をつくる秘策は「その会社が好きな社員を増やすこと」なのだと思います。
お客さんを喜ばすことは当然大事です、そしてそのための技術も大事でしょう!
しかしよく、特にホテル業界では多く散見されますが、あらゆるホテルで経験した人の寄せ集めチームが多く、新卒採用を真剣にやっていない企業が多いです。
新卒採用やっているといっても、「安い人件費を確保する」という意味でやっているのであればそれはダメです
「人材が全て」ということを否定するサービス業の経営者はいないと思いますが、その極意は
「きちんと採用して、“即手力”でなく“未来の戦力”いわゆる“金の卵”を確保して、それをきちんと育てる」・・・そんな意識を根底から持つことなのではないかと思います。
「手」は「人」の一部であって全てではありません。
手数、手が早い、といった「人手」が大事なのではありません。
大事なのは「人材」です(”人財“という人も居ますが・・・)
そのためには、自社ファン=ロイヤリティの持ってもらう社員を増やすことなのだと思います
「未経験者=優秀でない」のではありません
人間誰でも社会人になるときは未経験者です
転職者であってもそれまでと全く違う業種や職種や会社に飛び込むときは「未経験者」です
未経験者の多くは、純粋です、吸収力に長けています
会社はそんな人を“洗脳する”のではありません
いかに“共感してもらうか”です
また未経験者ほど“こちらが真剣であるほど”共感してもらえやすい“のです
(それを“洗脳”というのだ!といわれればそれまでですが・・・・)
自分の手先(技術)や経験を自負して、またそれを活かしたくて仕事をしている人は、どこの会社においても、その技術なり、経験なりの仕事はこなせます。
中途採用に応募してくる人、特にそこそこの社会人経験で同業ばかりを転々としてきた人は、「自分の腕」を売ろうとします。
「その会社の何か」が好きなのではありません、「私を評価してくれる会社」が好きなのです。
「“私”の居場所を用意してくれる会社」を欲するのは人間誰しも思う「性(さが)」ですから問題ありません。
しかし新卒や(チャレンジングであれば)中途でも経験者でも「居場所があることだけに感謝」します。
会社に乗っかる人でなく、会社を支えようとする人
そんな人材こそが経験有無に関係なく「欲しい人材・必要な人材」です
そんな人材に入ってもらうために、特に経営者は・・
「支えるに値する(支えたいと思ってもらえる)会社」に磨き上げなくてはいけません
3匹の子豚という寓話は有名ですが、
楽してつくった藁の家はすぐにオオカミによって吹き飛ばされます
苦労してつくったレンガの家は吹き飛ばされません
会社は「レンガの家」でなくてはいけません、というかでなければ子豚?(人材)は守れません。
レンガの家も「小屋」くらいならばひとりでつくれますが、基盤の強い「屋敷」「要塞」にしてくならば、それを造る(築く)のに「参画者」が必要です
まさしく基盤をつくるのはヒト、しかもそれは経験者かどうかなどさほど関係ありません。
レンガを積む作業をする技術に長けている人が必要なわけではありません。
(もちろんきちんと作業してくれる人は不要といっているわけでもありませんが・・・)
意味や意図、ビジョンや理念の共感してもらう「参画者」が必要です
常に新しい血を入れて、またそれを育みながら「風土」を醸成していくことが必要です!
これがホロ社のこれからの、しかも永遠のテーマなのだと思います!